父親が残していたもの
父が他界し葬儀も滞りなく終えるもとができました。
初めてのことで何をしていいのか分からずオロオロ、バタバタしましたが、周囲の方の力を借り父の葬儀も終えることができました。
父が残していたもの
父の写真、棺の中に入れるものを探しているとき、弟が私に
姉ちゃん、財布が出てきたよ！ボロボロになった財布。
「ボロボロの財布」と言われてもなんのことかわかりません。
すると母が、
あんたがお父さんに買ってあげた財布じゃない！？3つもあったよ。おまけに1つは箱に入れてしまってあった。
と私に小さな箱を見せました。
箱を開けると使い古されたボロボロの財布が入っていました。
ほかの2つは箱にも入ってなかったけど、これだけどうしてか箱に入れてある。
父の誕生日や父の日に何度か「財布」をあげたことがあります。
いつもズボンのお尻のポケットに財布を入れていた父。
ボロボロになるまで使い、新しい財布に替えても捨てずにとっておいたようです。
私があげた財布を全部捨てずにとっておいた父。
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私も忘れていたことですが、箱に入っていた財布は、私が働きはじめて最初の給料を貰った時に買った財布です。
最初の給料を貰った時、父と母の誕生日が近かったということもあり、誕生日プレゼントに母には革のバック、父には革の財布をプレゼントしました。
母はとても喜んでくれたので母にバックをプレゼントしたことは覚えていたのですが…父に渡した時に「財布より現金のがいい」と言われ嬉しくなさそうな態度をされたため、箱に入っていたボロボロの財布を見るまで私も忘れていました。
パチンコが好きで、誕生日や父の日に現金以外のものをあげても嬉しそうな態度を見せなかった父。
嬉しかったんじゃないの？姉ちゃんに買ってもらった財布全部捨てずにしまってあったんだから。
そんなことをするような人だとは思っていませんでした。
母も弟もびっくりしていました。
父が捨てずにとっておいた財布は、父の形見にとっておこうとも考えましたが、母に「持たせてあげな」と言われ、棺の中に入れて父に持たせました。
いなくなって気づいたこと
もうひとつ父が他界してから気づいたことがあります。
父の遺影にする写真を探していた時ふと気づきました。
それは家族4人で撮った写真がないんです。
私や弟が生まれた頃、旅行やどこかに遊びに行った時に撮ったものはあります。
父は写真を撮られるのはあまり好きではない人でした。
そのせいか私たちを撮ることはあっても父と写った写真はあまりありません。
いなくなって気づきました。
もっと早く気づけていればよかった。
父は嫌がるとは思うけど…家族で撮っておけばよかった。
家族4人の写真は葬儀の時、祭壇の前で撮ってもらったのが最後となりました。
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